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ブラック・スワン[下]―不確実性とリスクの本質

¥1,800 (税込¥1,980)

ブラック・スワン[下]―不確実性とリスクの本質

評価
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出版社 ダイヤモンド社
単行本 352ページ
発売日 2009/6/19
ISBN 978-4478008881
通常配送無料 価格¥1,800 (税込¥1,980)

内容紹介Introductions

人間には不確実性を扱えない根本的欠陥があることを解明!

原書が刊行されたのは2007年4月。前著『まぐれ』同様、発売直後から、人間の思考プロセスに潜む根本的な欠陥を、不確実性やリスクとの関係から明らかにして、経済・金融関係者の話題をさらった。さらに、「サブプライムローン危機」が発生すると、「誰一人予想もしなかったインパクトのある事象」が起こる原因を原理的に明らかにした書として爆発的に読まれ、全米で150万部超の大ヒットを記録している。

「ブラック・スワン(黒い白鳥)」とは何か?

むかし西洋では、白鳥と言えば白いものと決まっていた。そのことを疑う者など一人もいなかった。ところがオーストラリア大陸の発見によって、かの地には黒い白鳥がいることがわかった。白鳥は白いという常識は、この新しい発見によって覆ってしまった。

「ブラック・スワン」とは、この逸話に由来する。つまり、ほとんどありえない事象、誰も予想しなかった事象の意味である。タレブによれば、「ブラック・スワン」には三つの特徴がある。一つは予測できないこと。二つ目は非常に強いインパクトをもたらすこと。そして三つ目は、いったん起きてしまうと、いかにもそれらしい説明がなされ、実際よりも偶然には見えなくなったり、最初からわかっていたような気にさせられたりすることだ。

世界の見方を変える書

私たちは自分で思っているほど実際には物事をよくわかっていない、とタレブは言う。彼はそんな現象を長年研究してきた。私たちはどうでもよくて取るに足らないことにばかり気をとられてしまう。そして相変わらず重大な事件に虚をつかれ、そんな事件が私たちの世界を形づくっていく。

本書でタレブは、私たちにはわかっていないとわかっていることのすべてを語る。「ブラック・スワン」に立ち向かい、それを利用できる驚くほど簡単な方法を提示する。本書の衝撃的な内容を読めば、世界の見方は一変するだろう。

下巻の内容

第2部「私たちには先が見えない」では、将来を扱うときの間違いと一部の「科学」のよく知られていない限界、さらにそうした限界をどう扱うのがいいかを説明する。第3部「果ての国に棲む灰色の白鳥」では極端な現象をさらに深く追究し、ベル型カーブ(壮大な知的サギ)がどんなふうにできているかを説明する。また、自然科学と社会科学の分野で「複雑性」と呼ばれて乱暴にひとくくりにされているアイディアを見ていく。第4部「おしまい」はとても短い。下巻には「用語集」、きわめて詳細な「注解」ならびに「参考文献」を付す。

目次Index

第2部 私たちには先が見えない

第11章 鳥のフンを探して
鳥のフンの探し方
自分の予測を予測する!
N番目のビリヤード・ボール
エメラルドはグルー
偉大なる予測機械

第12章 夢の認識主義社会
過去の過去、過去の未来

第13章 画家のアペレス、あるいは予測が無理ならどうする?
アドバイスはやすし。とてもやすし
よい偶然というアイディア

第3部 果ての国に棲む灰色の白鳥

第14章 月並みの国から果ての国、また月並みの国へ
果ての国では誰も安心できない
果ての国から逆戻り

第15章 ベル・カーブ、この壮大な知的サギ
ガウス的なものとマンデルブロ的なもの
ケトレの月並みなバケモノ
(文系的)思考実験 ―― ベル型カーブはどうやってできるか

第16章 まぐれの美学
まぐれの詩人
三角形のプラトン性
フラクタル的ランダム性の論理(ただし注意書きつき)
もう一度、予測をするなら気をつけろ
灰色の白鳥はどこに?

第17章 ロックの狂える人、あるいはいけない所にベル型カーブ
ただの黒い白鳥

第18章 まやかしの不確実性
お遊びの誤り、再び
ウィトゲンシュタインは何人までピンの頭で踊れるか?

第4部 おしまい

第19章 半分ずつ、あるいは黒い白鳥に立ち向かうには

エピローグ ── イェフゲニアの白い白鳥

謝辞
訳者あとがき
参考文献
注解
用語集
索引

著者についてAuthor

ナシーム・ニコラス・タレブ(Nassim Nicholas Taleb)

ナシーム・ニコラス・タレブ(Nassim Nicholas Taleb)

文芸評論家、実証主義者にして、非情のデリバティブ・トレーダー。レバノンでギリシャ正教の一家に生まれる。ウォートン・スクールMBA修了。博士号はパリ大学で取得。トレーディングを行うかたわら、ニューヨーク大学クーラン数理科学研究所で7年にわたり確率論のリスク管理への応用を(客員教授の立場で)教えた。現在はマサチューセッツ大学アマースト校で学長選任教授として不確実性科学を研究している。前著『まぐれ』は世界30ヵ国語に翻訳されたベストセラーである。主にニューヨーク在住。

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